コンタクトレンズを使用での目の健康と病気について

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緑内障

原発開放隅角緑内障(げんぱつかいほうぐうかくりょくないしょう)

みかけはなんでもない目で、眼圧が高く視神経に障害のあるときにこの病名になります。視野にも視神経の障害に応じた異常が出ます。両眼におこるのがふつうです。早期には自覚症状はほとんどないため、たまたま眼圧や視神経の検査で早期にみつけられた人は軽くてすみますが、みえ方がおかしいのに気づいてからこの病気のみつかった人では、かなり進行してしまっていることがよくあります。また、いったん進行してしまうと、通常はもとに戻りません。なお、眼圧が高いだけで視神経に異常のない状態を高眼圧症といいます。高眼圧症では治療はかならずしも必要ではありませんが、定期的な検査は必要です。
【診断・治療】
眼圧、視神経、視野の検査のほかに、目から水[房水]が流れていくところの検査[隅角検査]も行ないます。この緑内障では隅角検査はほぼ正常ですが、こうした検査を総合して診断されます。診断を受けた人は、その後長期にわたって眼圧、視神経、視野の定期的な検査が必要です。
治療は眼圧が正常になり、視神経や視野の異常がそれ以上進まないことが目標とされますが、薬による治療、レーザー治療[レーザー光線を隅角にあてる治療]、手術の3種類があります。最初は薬で治療しますが、薬で不十分な人、薬が使えない人ではレーザー治療や手術が必要になります。レーザー治療や手術を行なうかどうかは眼圧だけでなく、視神経や視野の状態や、その人の日常生活の様子、年齢などさまざまなことを考慮に入れて決められます。
【経過】
この病気になると、だいたい決まった経過でみえ方が悪くなります。最初は視力は正常ですが、視野のなかの特定の場所[みつめたところのすぐ上下など]が障害を受けます。しだいにその障害された場所[暗点といいます]が広がっていきます。
視力が悪くなるのは最後になってからで、かなり重症な人でも、細かい字が読めることがあります。それだけ発見が遅くなりやすいということになります。こうした経過は治療によって止めることができるので、早期発見、早期治療が必要なわけです。

正常眼圧緑内障(せいじょうがんあつりょくないしょう)

眼圧は正常範囲内にあっても視神経が原発開放隅角緑内障と同じようになることがあり、正常眼圧緑内障[低眼圧緑内障]と呼ばれます。正常眼圧緑内障は、日本人にとても多いことがわかっています。
この病気の疑われる人は、眼圧を夜間を含めて1日中測ったり、頭部の精密検査をすることが必要です。正常眼圧緑内障でも、ふつうの緑内障と同じように眼圧を下げる治療が行なわれます。視神経の血のめぐりをよくする薬などもあわせて用います。

先天緑内障(せんてんりょくないしょう)

隅角の発育がわるいために、眼圧が上がる緑内障です。生まれた直後から1歳前後までに発症することが多いのですが、10歳を過ぎてからみつかることもあります。生後すぐに発症した場合には黒目が大きく、白く濁っています。比較的遅く発症した人の例では、原発開放隅角緑内障に似てきます。隅角の状態を改善させる目的で手術が必要ですが、薬もあわせて使わなければならないことがしばしばです。