コンタクトレンズを使用での目の健康と病気について

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結膜の病気・結膜炎(けつまくえん)

目が充血して、目やにが出る状態をいいます。細菌やウイルスの感染、アレルギー反応、かわき目[ドライアイ]などによっておこります。
アレルギー性のものではかゆみや、ときにちくちくするような痛みとして感じることが多く、かわき目によるものでは、しょぼしょぼしたり、異物感を感じることがあります。
感染性のものでは、予防が第1です。日常生活のなかで、無意識に目に触れる可能性のある、手やタオルなどは、いつも清潔にしておくよう心がけましょう。結膜炎にかかった場合は、目をさわったり、その手であちこちをさわったりしないよう心がけましょう。朝起きたとき、少量の目やにが目頭につく程度で、ほかに自覚症状がない場合は、治療の必要はありません。

アレルギー性結膜炎

【原因】
空気中の、いろいろな物質に対する、結膜のアレルギー反応です。アレルギー反応の原因となる物質[抗原]には、いろいろな花粉のほかに、季節に関係なくみられるものとして、ハウスダスト[ダニなど]、真菌[カビ]、動物の毛などがあります。花粉症は花粉を抗原とするアレルギー性結膜炎です。
【症状】
目にかゆみがおこります。同時に鼻水、くしゃみが出ることもあります。軽い充血や、粘った目やにが出、白目がぶよぶよにはれる場合もあります。
【治療】
まず、目薬で治療します。抗アレルギー薬のほか、ステロイド薬、ときに血管収縮薬を用います。症状が強い場合は飲み薬を併用します。皮膚反応や血液検査などで、抗原が明らかな場合、抗原に少しずつからだをならす方法[減感作療法]を行なうこともあります。

流行性角結膜炎[はやり目]

アデノウイルス[3、4、8、19、37型]の感染が原因となっておこります。
【症状】
感染して5日から1週間すると症状が出てきます。目の充血、涙、まぶたのはれで始まり、ものが入っているようにごろごろします。耳の前のリンパ節が大きくなり、押さえると痛むこともあります。目やには、起床時にはまぶたに付着して目があけにくいほどですが、昼間は少なくなります。
目やにや充血は、発病後5〜6日にもっとも強く、2〜3週で治ります。後から発病した目の症状は、比較的軽くすみます。発病約1週間後、角膜[黒目]の表面 に砂をまいたような濁りができ、まぶしさやみにくさの原因になることがあります。
【治療】
いったん発病すれば、自然経過にまかせるしかありませんが、細菌の混合感染の予防のため、抗生物質の点眼を行ないます。対症的に、血管収縮薬や副腎皮質ステロイド薬の目薬を用いることもあります。
伝染性 感染力が大変強く、家庭・学校・プール・職場・病院などで集団感染する恐れがありますので、一定期間、学校等を休んで頂くことになります。
このウイルスはふつうの消毒薬では死にませんから、この病気にかかったら、なるべく自分の目をさわらないこと、手を流水でよく洗うことが伝染予防のために大切です。しかし、熱には弱いので、汚染された器物で、煮沸可能なものは煮沸消毒します。

咽頭結膜熱[プール熱]

アデノウイルス[3、4、7型など]の感染が原因となっておこります。子供に多く、プールを介して伝染することがあること、発熱を伴うことから、プール熱とも呼ばれています。
【症状】
発熱、のどの痛み、急性結膜炎の3つが特徴です。目の症状は流行性角結膜に似ていますが比較的軽く、1〜2週間で直ります。

出血性結膜炎

エンテロウイルス70、コクサッキーA24ウイルスの感染によりおこります。流行性角結膜炎と同様に、強い感染力で集団感染を引き起こします。
約1日の潜伏期のあと、流行性角結膜炎と同様の症状とともに、白目に出血斑が現れるのが特徴です。

単純ヘルペス性眼瞼結膜炎

単純ヘルペスウイルスの始めての感染や、再発でおこります。目の充血、涙、目やになど、流行性角結膜炎と紛らわしい症状のほか、角膜に傷がついてまぶしさや目の痛みを伴うこともあり、注意が必要です。主に片目ですが、両目におきる場合もあります。まぶたに小さな水ぶくれ状のぼろができたり、赤味や腫れを伴うこともあります。治療は主に、抗ウイルス薬の軟膏を使用します。

細菌性結膜炎

細菌感染[黄色ぶどう球菌、肺炎球菌、ヘモフィルス菌など]が原因となっておこります。白目の充血とともに目やにが多いのが特徴で、子供では、よく、かぜなどのあとにみられます。治療には抗生物質の目薬を用い、ふつう一週間以内になおります。

クラミジア結膜炎

クラミジアトラコマティス[トラコーマ病原体]の感染です。以前、衛生環境が悪い時代に多かったトラコーマは、日本では久しくみられず、現在では性感染症によるものがほとんどで、成人と新生児にみられます。
【症状】
成人では、まぶたのはれ、充血、目やに、ごろごろするなどの症状がおき、しばしば耳の前のリンパ節のはれが見られます。流行性角結膜炎と紛らわしい場合がありますが、経過が長く、片目のことが多いのが特徴です。まぶたの裏に大きい粒状・堤防状の隆起がみられ、粘膜の検査で診断をつけます。のどの炎症や泌尿生殖器の炎症[尿道炎・子宮頚管炎など]をおこし、性交渉により伝播します。また、お産のときに、産道で感染すると、新生児に結膜炎がおこります。
【治療】
抗生物質の目薬、軟膏、必要により内服ですが、治るのに数週間から2ヶ月を要します。

春季(しゅんき)カタル

慢性アレルギー性結膜炎の重症型で、春から夏にかけて季節的な再発をみるため、この名がつけられたものです。10歳から20歳ぐらいの子どもと青年、とくに男性に多いのが1つの特徴で、同時にアトピー性皮膚炎、ぜんそく、じんましんをもつ人が多くみられます。I型アレルギー反応で、抗原としては、花粉、カビなどが考えられていますが、単一の原因とは限りません。
【症状】
かゆみのほか、粘った、糸を引くような目やにが出ます。また、角膜障害を伴うことが多く、目の痛みや眩しさを感じます。おもに上まぶたの裏側に、大型で石垣状の隆起が広範囲にできるのが特徴で、角膜障害が強くなると、角膜の一部に白い濁り[プラーク]ができることがあります。
【治療】
まず、目薬で治療します。抗アレルギー薬のほか、ステロイド薬、ときに血管収縮薬を用います。症状が強い場合は飲み薬を併用します。皮膚反応や血液検査などで、抗原が明らかな場合、抗原に少しずつからだをならす方法[減感作療法]を行なうこともあります。

結膜下出血(けつまくかしゅっけつ)

結膜の小さな血管が破れて出血したもので、白目の一部または広い範囲が血のように赤くなります。
目を強く打ったときや、血液の病気、頭部の急激なうっ血状態[せき、お産、嘔吐など]などによってもおこりますが、特別な原因のないものが少なくありません。眼底出血や、目のなかの出血とは関係がなく、視力が損なわれることはありません。放置しても、1〜2週間以内に自然に吸収されるため、とくに治療を必要としません。

翼状片(よくじょうへん)

白目[結膜]から黒目[角膜]に向かって、白っぽい肉片のようなものがのびていく病気です。ほとんどが黒目の鼻側におこります。原因は不明ですが、屋外で働く人に多いことから、紫外線やほこりなど慢性的な外界の刺激によるものと考えられています。
【症状】
翼状片が小さいうちは、その部分が充血してみえるだけで、視力障害はありません。大きくなってくると角膜乱視のもとになり、瞳孔にかかると視力が落ちます。
【治療】
手術によって切除しますが、外来通院で行なわれます。手術後に再発する場合もあり、翼状片が小さいものや若年者の場合は再発が多いとされています。